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特別支援教育振興

目的・方針

  • 特別支援教育は一般教育の根底となるものです。特別支援教育は、障害児にとっての基礎的な教育であり、健常者の教育と同等に考えていきます。
  • 学校教育・家庭教育の中で、ハンディを負った子どもたちの援助を継続しています。

事業内容

(A)視覚障害児の点字絵本『テルミ』の編集と制作
視覚障害児のための手でさわって見る点字絵本『テルミ』を製作・編集し、例年通り隔月で6冊を発行する。2023年4・5月号で244号を数えるが、10・11月号は創刊40周年記念号となり、増ページを予定していること、また昨今の経済状況の逼迫により制作コストが増加していることなどから前年度より予算増とした。
(B)「難病のこども支援全国ネットワーク」へ助成
認定NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」の活動に対して支援・助成する。当会の活動は、1988年に難病の子どもを持つ親たちと医師たちによってはじまり、1998年には現在の組織となり、翌年にはNPO法人としての認証を受けている。本年度は主に次の4つの活動に助成する。
  • 相談活動/これは、1988年8月に始められた親たちから寄せられる「電話相談室」である。医師、看護師、社会福祉士、精神保健、福祉士、認定遺伝カウンセラーなどの相談員が、難病や慢性疾病・障害のある子どもを育てる家族からの医療・教育・福祉などに関する相談に応じている。ここでは親たちの思いや生の声が反映された活動となり、ピアサポートも従来の対面方式だけでなく、電話やSNSを利用した新しい方式も取り入れていく予定である。
  • 交流活動/サマーキャンプ“がんばれ共和国”は、「友だちつくろう」を合い言葉に開催され続けており、今年度は「安心と安全」をモットーに、北は岩手から南は沖縄までの全国7か所において2,000名を超える人たちが集まって実施される予定だ。このキャンプには、地域の医療機関の医師や看護師たち医療班のサポートのもと、濃厚な医療的ケアを日常的に必要としている子どもたちも安心して参加できると共に、家族や世代を超えた経験交流の場ともなっており、家族支援にも関心を寄せている。また、地域におけるイベント開催時の感染対策(検査キット配布等)やリモートイベント開催を担保するために必要な備品等の調達時における助成を行う。
  • 啓発活動/今年で44回を迎える「こどもの難病シンポジウム」は、立場や職種を超えた横断的な意見交換や学びの場としての高い評価を受けている。また、機関誌『がんばれ!』の発行やホームページ、SNSの活用を通して、さらに有効な広報活動を展開していく。
  • 地域活動/建国開始から10年を経過した“あおぞら共和国”の既存の建物や施設の老朽化や経年劣化にともなう修繕費用を積み立てる。
(C)「(財)共用品推進機構」へ助成
「共用品推進機構」はアクセシブルな製品や設計提案し、その思想を普及させることを目的としている。本年度もバリアフリー社会のための各種の「共生社会を目指す」調査活動に賛同し、以下の事業に助成する。
  • (1) 共用品・共用サービスの普及のため、国内外の調査研究、および展示会等を開催する。
  • (2) 共生社会を目指す良かったこと調査研究
    今年度は「働くこと」に視点を絞って調査研究を行う。調査方法は、アンケートを中心に、障害者団体、高齢者団体等に協力を求め、「それぞれの地域における働き方に関する良かったこと」を調査する。環境の違う地域や身体特性において異なる働き方を調査することによって、共生社会に必要なハード面の整備、ソフト面の充実における各地域特有の良かったことを知ることができると考える。
    調査結果は、身体特性別に集計、分析を行い、個別的な配慮や共通となる配慮場所や場面を選ばない普遍的な良かったことの有無についても分析し、報告書としてまとめる。最終的には、地域の規模に関わらず、どこでも展開が可能であることを広く伝え、多く活用してもらえるように取りまとめを行う計画である。
  • (3) 視覚障害児・者アイディアコンテストからの発展〜視覚障害のある児童・生徒から見た地域における「良かったこと」発表会の開催
    「目が見えない・見えにくい私だから考えついた“とっておきアイディアコンテスト”」事業を発展させ、視覚障害のある児童・生徒から見た「自分たちが住んでいる地域における良かったこと」を発表する機会を作る。発表にあたっては、全国盲学校等の協力を得るなどし、総合的な学習の時間などを活用して、児童・生徒自身が地域における良かったことを調べたり、より良くするためのアイディアを考えたりして、日本中に自分たちの思いを発信するきっかけ作りを行う。得られた成果はホームページでも公開し、視覚障害のある児童・生徒が、自由に意見が述べられる環境作りを推進する。
(D)「NPO法人大活字文化普及協会」へ助成
弱視者のための本、、大活字本の出版および普及・研究事業などへの助成である。また「読み書き(代読・代筆)支援サービス」は、全国各地の自治体や金融機関の職員を対象に技能習得を目的とする講習・研修を行っており、本年度も継続する。また行政機関が発行する福祉関係冊子の大活字版制作なども手がけていく。
出版業界での取り組みが進んでいる読書バリアフリー対応について、特にアクセシブル・ブックス・サポートセンター(ABSC)の活動展開の研究や公共図書館における文字情報バリアフリーの実情調査も進めていく予定である。
(E)「社会福祉法人全国盲ろう者協会」活動助成
全国に約14,000人の盲ろう者の支援を続ける同協会への助成である。
会員向けの「ニュースレター」や機関誌「協会だより」は、全国の都道府県・政令市、中核市の障害福祉課をはじめ、点字図書館、聴覚障害者情報提供施設など、多くの福祉関係団体、関係者に配布することで、盲ろう者を支援する同協会の存在を周知し、啓発活動の展開に繋げている。また情報保障のために、これらの配布物は墨字版に加え、点字版、音声読み上げ版も作成、これら一連の活動への助成となる。
(F)その他の特別支援教育活動へ助成
社会福祉法人、特別支援教育施設や研究所、ボランティア団体の活動、研究会などに対して、支援助成を行う。本年度は以下の通りである。
  • @ 社会福祉法人桜雲会の実施する二つの事業を支援する。ひとつは、同会の第17回となる「バスツアー及び講演会」の企画に対してで、本年度は「杉山和一と江の島〜管鍼(くだばり/かんしん)術誕生の地を訪ねるバスツアー」である。杉山和一は江戸前期の鍼術家。幼くして失明し、三重から上京し、鍼術を学び、江の島で修行中に管鍼術を発明し、61歳で盲人の役職として最高位の検校にまでなった。70歳を過ぎてから4代将軍家綱や5代将軍綱吉を治療したという。その杉山検校の足跡をたどり、墓所のある江の島を巡るツアーとなる。
    第二には、絵本「『塙保己一とヘレン・ケラー』制作・配布事業」に対してである。塙は江戸時代後期に活躍した盲目の国学者。埼玉・本庄市の農家に生まれ、全盲でありながらも血のにじむような努力を重ね、大叢書『群書類従』を編纂、後進の教育にも注力するなど偉業を重ねた。一方、ヘレン・ケラーは幼いころから母親に「日本の塙保己一先生を見習いなさい」と言われ続け、生涯の心の支えにしたという。本書はこの二人の生涯と、知られざる繋がりを描く。
  • A 東京・神保町の絵本専門店「ブックハウスカフェ」が中心となって、自閉スペクトラム症児たちに絵本を周知していく活動「ココロノホンダナ」への運営助成を継続する。これは、同店がハブとなり、特別支援学校職員、図書館司書、絵本作家などが集まり、絵本のリストを作成しフリーペーパーやSNSで発信することで紹介したり、自閉症児たちの作品展を開催することで、子どもたちの「居場所づくり」を目指すものである。今年度は、手話講座や障害者福祉センターとのコラボで陶芸教室、小児科医による発達、育児相談を予定、新たにスタッフによる冊子制作、中高生の居場所として「放課後カフェ」の開催も計画している。
  • B 前年度から始まった、主に視覚障害者に向けた書籍出版を続けている読書工房が刊行する2冊の書籍制作への継続助成である。一冊は、『大きな文字の漢字辞典』で、ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)などで文字を読むことに障害のある人、あるいは日本語以外の言語を母語としている人たちに対して、漢字の形がわかりやすい、覚えやすい文字サイズの大きい漢字の参考書である。本事業では、字游工房(東京都新宿区)が開発した「丸教体」というフォントを採用し、17.5ミリ角の文字サイズ(親文字)で分かりやすい覚えやすい漢字教材を目指し、本年7月頃の刊行予定である。
    もう一冊は、『大きな文字で読めるメジローぶっくす』の制作及び特別支援学校図書館への普及事業に対する助成である。これまで公共図書館を中心に、いわゆる大活字図書を蔵書することは定着しているが、児童書やヤングアダルト向けの作品が極めて少ないのが現状である。そこで、いくつかの出版社発行のロングセラーを中心に二次出版契約を交わし、それらの「大きな文字版」の刊行が主旨である。これによって、ロービジョンや学習障害、外国にルーツのある子どもたちが読みやすい図書を広く周知していく。
    また、2019年に「読書バリアフリー法」が制定され、公共図書館や学校図書館がバリアフリー図書を一定数蔵書する意義が求められている。しかし、一般書籍と比して高価格のものが多く、学校図書館への販売が比較的難しい状況にあることから、寄贈事業を進めることを目指し、広報・周知を行い、バリアフリー図書の啓発を目指し、今秋から全国の学校図書館へ公募し、審査のうえ寄贈校を決め、取材記事等をインターネット等で流布、普及に繋げていく計画である。
  • C 次に、「ARTS for HOPE」障害者アート支援事業である。これはこれまで「被災地支援」の項での費目であったが、今期より「特別支援」の項に移した。そもそも2011年からの被災地支援から始まった事業だが、現在は仙台で障害児の豊かな表現力を育み、発達や自立に繋がる力を養う美術教育クラスを運営するに至ったからである。発達障害、ダウン症、聴覚障害、重複障害などを持つ約40名の受講者が参加している。今年度も自分らしくのびのびと表現を楽しみ、自己肯定感に繋がる美術教育クラスを開催するだけではなく、ワークショップや作品展の開催(2024年3月予定)を通して地域との連携を深めることを目指す。
  • D 前年度から始めた大阪でろう児・難聴児への学習支援活動を行っているNPO法人SilentVoiceへの助成を今年度も継続する。これはろう難聴児の教育の選択肢として聞こえる人に合わせるか、聞こえない人で集まるか、二つの環境しかないのが日本の現状だが、ろう難聴児と聴児が同じ場で同程度の価値を享受できる「共存環境」を選べることを目指す。そのために両者が同じ学級で教育を受ける「コ・エンロールメント教育」の実装を図るために、現地調査やさまざまなイベントに聴児が参加できる機会を作ることを計画している。
  • E 発泡印刷やまゆりの会の「点字カレンダーの刊行」などに対して引き続き助成を行う。
事業について
学校教育振興
幼児教育振興
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